宮原製作所は、大型舶用エンジンの製造で国内トップシェアを誇る三井E&Sとの強力なパートナーシップのもと、エンジンの主要部品を製造しています。三井E&Sは、世界トップシェアのライセンサー、MAN Energy Solutions社からライセンス供与を受けており、部品製造を手がける当社もサブライセンス契約を結んでいます。
当社の強みは、加工から組立までを社内で一貫しておこなっている点です。これにより、コストの削減や顧客ニーズへの柔軟な対応が可能となっています。また、社内で加工した部品と外部から調達した部品を組み合わせてユニットに仕上げるノウハウを持っていることも特長です。製造工程にさまざまな選択肢を有し、効率的な生産を可能にしています。
切削や研削はもちろん、穿孔、転造、コーティング処理、熱処理など、幅広い加工に対応できることも当社の強みです。大きさも、手のひらサイズから数メートルの大型部品までさまざま。CNC旋盤や各種マシニングセンタ、高周波焼入れ機、高速フレーム溶射機など約50台の加工機械を擁し、現在も最新の機械へ更新し続けています。
宮原製作所は舶用エンジンの主要部品を製造しています。品種は常時50種以上。舶用エンジンは常に進化を続けており、同じ部品でも絶えずバージョンアップ・高機能化しています。私たちは長年にわたって積み重ねてきた高い技術力とその革新により、海事産業に貢献しています。
宮原製作所では、年間150〜200基分の舶用エンジン部品を製造しています。世界中を航行する、およそ3000隻の船に当社の製品が搭載されています。
当社は本社のある岡山県玉野市に2つの工場を持ち、中国の上海にもグループ工場を擁しています。また、韓国、デンマーク、フランス、ドイツからの製品輸入もおこなっており、舶用エンジン部品のサプライヤーとして事業を展開しています。
今後も積極的に海外各国との接点を増やしながら、造船業界に貢献していきます。
現在、船舶の燃料は重油から天然ガス等への移行が進められています。重油の使用を減らすことで温室効果ガスの排出量を抑え、地球環境への負荷を軽減するための取り組みです。この天然ガス等を主燃料とする舶用エンジンは、海運・造船業界で「次世代エンジン」と呼ばれています。
宮原製作所は2024年、従来のエンジンより高い技術力が求められる次世代エンジンの部品製造に成功しました。舶用エンジンメーカーを始めとする業界各社は一丸となって協力し、カーボンフリー(脱炭素)の実現に向けて歩みを進めています。海事産業に携わる者の責任として、また舶用エンジン部品のトップサプライヤーを目指す企業として、私たちは今後も次世代エンジンの進化に貢献していきます。